採用コンサルのつぶやき

大手外食チェーン人事部にて採用全般をプロデュース。2005年より人材系企業に転職し、現在、採用コンサルタントとして、苦戦する企業の採用活動のお手伝いをしている、「採用コンサルタント」のつぶやきを掲載。

「正社員がほしい」企業と「正社員になりたい」若者

「正社員がほしい」企業と「正社員になりたい」若者


■アルバイトから正社員へ
いま、一部のサービス業系企業では、派遣スタッフやアルバイトスタッフを正社員化する動きがあります。
これまで若手の社員やアルバイトを主戦力として活用してきた業界・企業などでは、超売り手市場の中で採用が思うように出来なかった時期を経験し、現在のリーマンショック以降の経済危機による人材マーケットの変化をチャンスと捉え、最近では、「将来の幹部候補として、正社員が欲しい」・「まずはアルバイトとして採用して、社員登用を行いたい」などというように、採用時の対応を積極的かつ柔軟に変化させる企業が増えてきています。


■正社員への足がかりをつかめずにいる若者
企業が若手正社員の獲得に苦労する一方で、社会には「正社員になりたい」と思っている若者、正社員志向のフリーターが大勢存在しています。

アンケート調査でも、18〜35歳のフリーターのうち、56%が正社員志向を持っています。

ただし、その多くは正社員経験がないという自信のなさから、「積極的に正社員に応募する」という行動には到っていません。
自分にできる仕事・合う仕事を一生懸命やっていきたい、長く安定した仕事に就きたいという気持ちはあるのに、どこでどう探せばそれが見つかるのか、アルバイト経験しかない自分に何がアピールできるのかが分からないのです。
そのため、思うような就職先を見つけられなかったり、応募してもなかなか採用に到らなかったり、というケースが少なくありません。
そうなると、当面の生活のために「フリーターでいいや…」と元の生活に戻ってしまうのです。
そんなジレンマに悩む若者の姿が見えてきます。

また、企業側も、採用のノウハウが少なく、具体的に若年層の正社員志向のフリーターに効果的な訴求ができずに、通常の募集広告に「未経験者歓迎」の文字を入れるレベルで留まってしまっています。


■意外に難しいマッチング
正社員志向のフリーターと正社員を採用したい企業のマッチングは意外に難しいのです。
正社員が欲しい企業と、正社員になりたいフリーター、両者のニーズはマッチしているように思われます。
しかし、なかなか、企業が正社員としてのポテンシャルを有する若者に出会うことは難しく、フリーターは正社員への足がかりをつかむチャンスがないのです。
両者のニーズをマッチさせることのできる場があれば、企業が若手人材を正社員として獲得するチャンスは大いにあるはずです。


■効果的な訴求
正社員志向のフリーターをターゲットにする際は、「アルバイトから正社員にたどり着きたい」と思っている人の気持ち、自信のなさをを推し量り、応募に踏み切りやすいように心理的ハードルを低めてあげることが何よりも大切です。
「自分にもできそう」「自分の身の丈に合っている」と思えるような求人情報を届けることができれば、自ずと応募効果も期待できるでしょう。

(1) 将来像や人物像よりも「自分にもできそう」を感じさせる
(2) 条件面(給与、待遇)だけでなく、ビジョンや働く人の思い・職場の雰囲気・仕事の内容を語る

経験には自信がないが、自分が、がんばれることで一生懸命働きたい!
そんなフリーターの心を捉えるには、条件の良さよりも、どんな職場・仕事なのか、つまり「自分にできそうか」「合っているのか」を判断できる詳細な情報を提供する方が共感を呼びます。

例えば、「こうなりたい」と憧れるようなカッコイイ先輩社員をモデルとして出すよりも、自分も「こうなれる・できる」と思えるような等身大の先輩の姿を見せ、安心感や自分が働くイメージを持てるようにしてあげるのです。
また、自分のアルバイト経験が、活かせる能力や可能性があることを示してあげることも重要です。
仕事を通して身につけたコミュニケーション能力や接客技術が、正社員として活かせることを伝えてあげることが重要なのです。

さらに、「正社員」の募集ですから、ただ条件面を連ねただけでは、自分の人生や将来のかかった応募に踏み切ることはできません。
社長やそこで働く仲間の思い、会社のビジョン、職場の雰囲気、仕事の内容とそこにこめられた思いなどといったものを伝えることも大切です。





では!また。

「いい人」の定義

採用担当者の方とお話しをしていますと、皆さんおっしゃいますのが「事業を成長させるためには[いい人]を採用しなくてはいけない」と・・・


さて、ここで言われる[いい人]が、実は難しいのです。

確かに[いい人]は欲しい。また[いい人]が採用できれば事業は成長する。
しかしながらこの[いい人]は少し曲者なのです。
なぜなら、[いい人]の定義は、基準が人や会社によって千差万別だからです。
当然のことながら業種や職種が違えば、それは別のものであるのは明白ですが、同じ規模の同じ業種の同じ職種でも[いい人]の定義はかなり違うのです。

実例を挙げれば、本田技研工業株式会社は、技術職の採用において、トヨタ自動車株式会社は採用競合では無いと断言した事があります。
「なぜならホンダは本田宗一郎を教祖とし、ホンダフィロソフィをバイブルとする集団だから。たまたま現在は二輪車・四輪車・汎用製品の開発、製造、販売を主力事業としているが、将来は分からない。一方、トヨタ自動車さんは世界に冠たる自動車メーカーである」と言う。
なので、四輪技術者募集において、トヨタ出身者からの応募を受け付けないわけではないが、メインターゲットではないという。

要約すると、ホンダで[いい人]はトヨタでは[いい人]では無い事もある。
つまり求めるスキルや知識は近しいが、組織文化や価値観、戦略が違うので[いい人]も異なるという事なのです。
確かにホンダでは、「小説 本田技研」なるノンフィクション小説が作られており、ルールを無視したり組織を飛び越えて行った開発秘話が、まるでドキュメンタリー番組のごとく紹介されています。
現在も社内で読み交わされているという事は奨励されているかのようです。

ホンダといえば、ハイブリッドカーやバイオエタノール対応車、電気自動車、水素自動車をはじめ飛行機や耕うん機など、次世代事業を複数準備している企業です。
そのような企業では、四輪だけのエンジニアで志向や価値観が合わない人材は、今後のホンダでは厳しいと判断するのかもしれない。

これは一例ですが、自社や自部門にとっての[いい人]は誰なのか? どんな人なのかは、可変の部分も不変の部分もありますが、採用に取り組む上で、採用担当者は自社の経営陣や現場とディスカッションしたいテーマと言えます。





では!また。

若手は上司の背中を見ても育たないvol.2

若手は上司の背中を見ても育たないvol.2



前回の「若手は上司の背中を見ても育たない」の続きとなります。


トレーナーは新人にどう教えたらいいのか、「作業OJT」の具体的な流れを記します(これはマニュアル作成と同等です)

まず、新人が配属される前の準備として、トレーナーは自分の仕事をリストアップします。
通常業務のほか、やらなければならないけれどもやれていない仕事についてもピックアップし、部下に仕事を任せることで空いた時間を使って自分は何をしたいのかを考えておくとよいです。
大まかなリストアップ終了後は、一つひとつの仕事をさらに作業ごとに分解し、新人に任せられるものを選定します。
任せられるか否かの判断は、お客様への影響度、仕事の大きさなどの重要度、質などで、作業の難易度を踏まえて行うと良いでしょう。
それをもとに作業をランク付けし、最初は重要度と難易度の低いものから任せられるように育成シナリオとスケジュールを作成します。

また、作業に対する要求水準についても決めておく。何をどの程度できたら、このスキルおよび業務は習得したと見なすかのラインを明確にするのです。
その際、現在の自分と同じレベルを求めるのではなく、自分が初めてその仕事をしたときに、どこまでできたかを基準に設定することを心掛けます。
これら準備作業をすることは、OJT期間中のスムーズな指導を可能にするだけでなく、自分の仕事を体系的に捉え直すよい機会となります。



的確な指示で分解した仕事を叩き込んでいく

新人が配属されると、実際に作業指示を出すことになりますが、ここが人材育成のポイントなので指示の出し方は丁寧に。
「これをやって」という指示ではなく、部分的に仕事を任せるにしても、作業の目的を理解させ、その仕事がチーム全体に対してどのように貢献するのかを教えることが重要なのです。
また、指示を出す際には、必ずリスクポイントを提示する。どこでどういう情報を報告・連絡・相談しておかないと失敗するのか、失敗したときにどういう結果が待っているのか理解してもらうのです。


具体的な指示を出さずに、ただ「報・連・相が大事である」と伝えても、新人には理解できないのです。


報告で伝えるべきことは、進捗状況と成果、問題点、残作業の4つ。
連絡は、事実を周りと共有する作業。
緊急性とレスポンスの必要性を確認する。
相談は、問題解決のプロセス。
問題の大きさを見極めるよう指示し、解決策を提案するよう促す。

指示をして作業をさせたら、最初の段階では、まめに自分から声をかけるなどして、新人の作業の状況をモニタリングする。
放置すると新人の作業ミスや作業の停滞などに繋がる危険性があります。

仕事を振る段階で作業を細かく分け、新入社員が行う作業の単位時間を短く設定することが鉄則です。
仕事を細かく分解することで、1日の仕事を時間単位、分単位で捉え、モニタリングすることが可能となります。

次のステップは新人の作業に対するレビューです。
作業の成果とプロセスに着目し、良かった点と改善点を示します。
フィードバックの原則は「褒める・叱る・褒める」です。

次に解決すべき課題を示す的確なレビューこそ新人を伸ばす一番のポイントとなります。
レビューについては、空き時間を有効活用し、日々のコミュニケーションの中で行えばよいのです。
「作業OJT」では、新人が一つひとつの作業を習得するまで「指示→モニタリング→レビュー」を繰り返します。
そのうえで、最終的に全体の仕事を覚えさせていく。そうすると、新人の得意・不得意の見極め、できているか否かの判断がしやすくなる。

山本五十六氏の有名な言葉に「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かず」という名言があります。

仕事には、難易度が高く言葉で説明しても伝わりにくい「やってみせる型」の仕事と、手順通り教えれば新人でもできる「言って聞かせる型」の仕事があります。
前者は、新人自身の自発的な学びや先輩のやり方を盗む力に頼りがちだが、それは教えることを放棄しているにすぎません。
とくに新人が仕事の壁にぶつかったときには、やってみせながら上司として経験に基づくやり方を教えるべきです。
新人が壁に突き当たったときこそ、教える絶好の機会なのです。
言って聞かせる型の仕事は言うまでもなく、「背中を見て覚えろ」では効率が悪いのです。
面倒に思わず一度きっちりと教えれば後で、実は自分が楽になるのです。
この「作業OJT」を実践することで、新人が仕事を習得するスピードが格段に速くなります。
その理由は、非常に厳しい環境の中で「上司の技を盗むことでうまくやれ」という独立独歩の仕事習得は実は極めて非効率だからなのです。
一見、面倒に見えますが、新人に任せられるような仕事は言葉で説明し、計画に基づいて教え込んだほうが効率が良いのです。






では!また。

若手は上司の背中を見ても育たないvol.1

若手は上司の背中を見ても育たない


「最近の若い者は・・・俺たちが新人の頃は先輩の仕事ぶりを見て自分で仕事は覚えたものだ・・・」


現場レベルでの新人育成力が問われています。
しかし、現場の努力にもかかわらず、結果的に「人が増えたけれども、生産性が上がっていない」と悲鳴を上げている企業が多いのです。

では、具体的に、どのようにすれば効果的な教育が出来るのでしょう。
それは、仕事を分解して一つひとつの作業まで教え込む方法が効率的かつスピーディーに、そして確実に仕事を覚えさせることができる手法なのです。


「徹底的に作業に着目した部下指導(作業OJT)」


OJTには、新人育成のみならず、それを通じた「次世代リーダーの育成」という目的もあるのです。
「OJTトレーナー」は、大抵の場合、若手の優秀なスタッフが担当しますが、彼(彼女)らは、自分の仕事を上手にこなす力は培われているが、部下および後輩など新人の育成経験やスキルには乏しいものです。
そんな時に、何の教育プログラムも無ければ、「OJTトレーナー」は自分の仕事のうち任せられそうなものを場当たり的に振ったり、忙しさにまぎれて新人本人の自発的な学習に任せっきりになってしまいます。


これでは必要な技術や知識、ノウハウがなかなか身に付かないのです。


プレーヤーとして優秀でもマネジャーになりきれない人材が多いのも同じ理由からです。
優秀なプレーヤーほど、部下を育てられないという話はよく聞きます。
優秀だからこそ人の失敗の理由が理解できないし、自分でやったほうが早いからと、一人で仕事をこなしてしまうのです。
また、上司や先輩の指導力による、部下の成長度合いの格差も問題となっています。
最初の上司によってその人のビジネス人生が決まるといっても過言ではない。これでは、教育を怠る上司についた新人は不幸です。


具体的な教育方法は次回にご説明いたします。







では!また。

人材採用における価値観の共有

人材採用における価値観の共有


価値観とは「何を良いと思うか」という「観点」を指すと考えられます。



ある人は、沢山お金がある状態を「良い」と思い、

ある人は、愛する人と共に過ごすことを「良い」と思い、

ある人は、責任の有る、やりがいの仕事があることを「良い」と思う。




良いと思う=そこに価値を見いだすことです。

この「価値観」ですが、人材採用におきましては、自社の価値観と共感できる人を採用しなくてはいけません!

どんなに能力が高くとも、どんなに実績があろうとも、自社の価値観に共感してくれていない人は、決して定着しないからです。

価値観を共有しつつ、コミュニケーションを取り、同じベクトルで共通の目標に向かっていくからこそ、厳しい状況を打破していけるのです。



「近頃の若い者はダメだ!」と嘆かれている方は、それは近頃の若い者だからではなく、自社の価値観と共有できない人材を採用してしまったからではないでしょうか?






では!また。
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