「広告代理店営業マン 山岸のレクチャー」

原口から概要は伝わっているのか、山岸は話しの冒頭からヒアリングというよりも、企画説明という雰囲気で話し始めました。
「新卒採用のフローを時間軸にてお話しいたしますね・・・」
1)就職サイトへの求人の掲載(サイト選定・各種オプションの選定)
2)会社説明会の開催(合同企業説明会も含む)
3)選考開始(適性検査・面接)
4)内定者フォロー
5)内定式
6)入社式
この流れで10月からスタートし翌々年の4月の入社までのタイムスケジュールで進みます。
まず、御社では「就職サイトへの求人の掲載」が急務となります。
「正直、パチンコホール企業は学生から人気があるとは言えませんので、とにかく露出を高めてページを見てもらうことが必要です。
そのうえで興味を持ってもらい、会社説明会へ誘導していくのです。ポイントは若干の脚色も入れながら、楽しさの部分を強くアピールしていきましょう。
とにかく、なるべく多くの人にリーチして、出来る限り多くのエントリーを得る事が勝利のポイントです」渋谷は、山岸の立て板に水のようなレクチャーとパワーポイントの企画書に圧倒され、二の句が継げず、出てきた言葉は、「わかりました、では、お願いします」と告げていました。
ただ、そのときに山岸の口元が、ほんの少し緩んだのを渋谷は見逃さなかった・・・
渋谷は不安を感じながらも、山岸の「優秀な学生ほど就職活動の開始は早いので、求人の原稿はサイトオープン日に間に合わせましょう」の説明に併せて、写真の素材やら会社案内の原稿などをバタバタと準備したのであった。
サイトオープンと同時に「エントリー」が入り始める、山岸いわく、順調なスタートとの事。
ただし、渋谷はサイトオープンによって一息ついたのだが、
客観的に自社の募集記事を見て、漠然とした違和感を感じたのである。会社の特徴として書かれている「楽しい職場」・「仲間との共同作業」満面の笑顔を湛えた社員の写真・・・ 嘘が書かれているわけではない。
でも、本当に、これを見てエントリーしてきた学生が、入社してきたら勤務を継続できるのであろうか?よしっ高原に聞いてみよう!
渋谷は同じ時期に入社し、研修期間に同じ店舗で勤務した高原勇樹に電話を掛けた。
つづく・・・次回は「新卒採用の目標は何だ!」
では!また。
「原口からの助言」

実は、渋谷は自分の異動の経緯からいって、以前から人事に居て中途採用を担当している原口は自分のことを快く思っていないだろうと考えていた。
それは、会社で初めて取り組む「新卒採用」なのだから、当然、今まで「中途採用」を担当していた自分が、その業務に当たるべきと考えているだろうと渋谷は思っていた。
ただし、行き詰っている渋谷は、既に藁をも掴む思いだったため、食事に誘い、助言を得たかったのである。
原口と渋谷は、オフィスから程近い居酒屋で飲み始めました。
最初に話しを始めたのは原口だった。
「渋谷君も慣れない仕事のうえに会社として始めての取組みなので大変ですよね。自分も新卒採用は携わった事がないので詳細はわからないけど、プロセスは中途採用も新卒採用も似通っている部分が多いので、手伝える部分は手伝うので声を掛けてください」
渋谷は、原口に対しての見方を改めなければならないと思いました。
原口は丁重な態度で渋谷に対して話してくれ、かつ、協力を申し出てくれたのである。
渋谷は終始敬語で話す原口の柔らかな人柄に触れたことによる安堵を感じるのだった。
原口は最後に「では、まず色々と募集に関して準備をしないといけないと思いますので、普段からお付き合いのある広告代理店の営業マンに来てもらって打ち合わせをお願いしましょう」と言い、「頑張ります。よろしくお願いします」と渋谷は答えて頭を下げた。
翌々日、原口の紹介による広告代理店の営業マンである山岸が渋谷を訪ねてきました。
渋谷は率直に「新卒採用を会社として始めて取り組むのですが、右も左もわからないので完全に行き詰っています」と述べた。
山岸は新卒で入社5年目の営業マンで、数名の部下も居るなかなかのやり手のようである。
「任せてください渋谷さん。中途採用の方でお世話になっていますので、御社の事情は存じ上げていますので新卒採用の方でも良いものを提案できますから」
渋谷は、この山岸を心強いと思う反面、何か、このやり手ぶりが、若干、不安に感じてしまっていた・・・
つづく・・・次回は「広告代理店営業マン 山岸のレクチャー」
では!また。
「お前なら何とかできる!」

渋谷が人事部人事課採用担当への異動を知らされたのは、辞令が正式に出るわずか3日前のことだった。
「人事部へ行って、ウチが始めて取り組む新卒採用の仕組みを作ってくれ」
総務部長の平川の言葉が渋谷の脳裏によみがえる。
「わが社が新卒採用に取り組むのは、お前も知っているだろう。今、新卒は買い手市場になっている、ただし、これはいつまでもは続かない。少子化の影響で景気が少し上向けば、すぐに売り手市場になってしまう。だから採用のしやすい今の時期に新卒採用をスタートして仕組みを作らなくてはいけないんだっ」
平川は渋谷の目をまっすぐに見た。
「お前なら何とかできる。俺はそう思っている」
平川の下で着実に成果を出しながら働いて成長してきた渋谷にとって、選択の余地はなかった。
部長がやれと言うならやるしかない。渋谷はすぐに腹をくくった。
しかし、方法や手段について平川は言及しなかった。すべてのやり方や方向性までも平川は渋谷に委ねたのである。そこに会社の意思を感じた。
ただ、いかんせん新卒採用のことは右も左もわからない。
どこから手をつければ良いのか・・・
まずは、分からなければ人に聞くしかない!
明治アミューズの人事部は新卒採用の経験は無いものの、正社員の中途採用は活発に行ってきた。
対象は違うものの採用には変わらないので、まずは、その担当者に尋ねてみる事とした。
人事部で中途採用を担当しているのは「原口直樹」が一人でやっている。
渋谷は、早速、原口と仕事終わりに食事に行く約束をした。
つづく・・・次回は「原口からの助言」
では!また。
今更な感じもいたしますが、「あけましておめでとうございます

」
本年も、よろしくお願いいたします

ところで、最近、ツイッターを始めました。
しかし、基本的にフォローするだけで、まだ、つぶやいていないのですが、プロフィールに当ブログアドレスを貼りましたので、ツイッター経由で来られている方もいらっしゃるようです

でっ、突然ですが、しばらくの間、上記のタイトル「新卒採用担当者物語」と題して、小説スタイルで連載していこうと思います。
物語は、首都圏に6店舗のパチンコホールを展開している、株式会社明治アミューズにて、企業としても自分としても初めて「新卒採用」をする担当者「渋谷達也」の奮闘記となっています。
おつき合いいただければ幸いです。
突然の辞令から、この物語は始まります。

「9月1日付けを持って、人事部人事課採用担当を命ずる」
新卒採用担当者に任命された渋谷達也。
首都圏に6店舗のパチンコホールを展開している、株式会社明治アミューズは、リーマンショック以降、新卒採用を縮小している大手企業を見て、優秀な人材を獲得するチャンスなのだと判断し、創業以来始めての新卒採用に踏み切ることとしました。
「新卒採用担当に任命されて」
「あーあ、どうすりゃいいんだろうな」
渋谷達也は、すっかり口癖となった、この言葉を独り言としてつぶやいていた。
いきなり新卒採用をやるから任せると言われても、自分自身も学生時代にアルバイトをしていた、明治アミューズに、卒業と同時に正社員採用されたため、
就職活動の経験は無かった。
当時、周りの友達は、リクルートスーツに身を包み就職サイトを検索して、会社説明会にたくさん参加していたのは知っているが、自分は、在学中からアルバイトをしていた明治アミューズの店長に「卒業したらウチにおいでよ」と誘われていたため、全く
就職活動をしなかったのである。
とりあえず、採用活動を行うために就職サイトへ掲載をしなくてはいけないので、広告代理店の方と打ち合わせを進め、その担当の方頼みで原稿を作成し、会社説明会の準備を進め、とりあえずの体裁は作る事ができましたが、とにかく手探りのため、果たして、それが正しいのか?適切なのか?が、皆目、見当がつかないのです。
当初、新卒採用を始めるにあたり、会社としても未経験のことなので、採用コンサルティング会社に依頼する事も検討したのですが、見積りを取ると想像を上回る金額の提示がされ、採用予定数が、十名程度の自社では採用単価が数百万円になってしまう事が判りました。
かつ、アウトソーシング形式のため、自社にノウハウが蓄積されないというデメリットが感じられ、経営判断として、まずは手探りで良いので、自社で進めることが決定されたのでした。
9月1日に新卒採用担当として配属されて2ヶ月、就職サイトの10月オープンに間に合わせるために手探りながら原稿の製作を進め、採用計画も作成し、求める人物像も作りましたが、改めて就職サイトの自社ページを眺めると。「明治アミューズ」という社名のロゴ、満面の笑顔を湛えた社員の写真、ひときわ目立つ場所に配置された問い合わせ窓口の電話番号。
ページの印象は悪くはない。
しかし、何か釈然としない違和感を感じて仕方が無かった。
渋谷は、このところ常に手元に置いてあるノートパソコンを開いた。
そこには、この一週間の間に気づいた就職サイトの問題点が箇条書きで羅列してあった。
自ら「渋谷メモ」と名付けたそのノートに描かれた文字を彼はたどってみる。
・求める人物像としての表現が一般的過ぎるのではないか?
↑パチンコホールの社員としては「美辞麗句」が並びすぎていて、リアルな現場を表現できていない。
・エントリーから会社説明会までの期間のエントリー者対応
↑サイトオープンから会社説明会の最初の開催までの間、何かアクションしなくて良いのか?
・就職サイトと会社案内パンフと自社ホームページと内容が統一されていない
ノートには問題点がたくさん洗い出されていた。
問題点は、むろん表面から見える点だけにとどまらない。「裏側」に回ってみれば、問題はさらに山積していた。
当面の最大の問題点は「会社説明会」の内容が固まっていない事だった。
予定では、自社の沿革と求める人物像についてパワーポイントの資料を用いて説明することになってはいるが、客観的に資料を見てみると、こんな就職サイトに書いてあることを改めて話しても参加者は退屈なのではないか?
「このままではダメだ!でも、どうすれば良いのかわからない・・・」
つづく・・・次回は「お前なら何とかできる!」
では!また。
採用は「マーケティング」で決まるッ!!
営業活動における顧客育成のプロセスでは「集客」→「見込客フォロー」→「販売」→「顧客化」という形で考えます。
これはマーケティングの発想ですが、実は、この考え方は人材
採用にもあてはまる考え方なのです。
それぞれの営業活動のプロセスで、営業マンは相手に合わせて伝える内容を変化させますし、コミュニケーションの目的も役割も臨機応変に変えていきます。
つまり、
採用活動においても「母集団形成」「会社説明会」「
面接・選考」「入社・定着」というプロセスがあり、それぞれにおいて内容や目的が違っているということです。
会社のことを全く知らない人に興味を持ってもらい、もっと知りたいという欲求を行動に変えてもらい、この会社に入社したいと思ってもらい、入社したらこの会社に入ってよかったと満足してもらわなければなりません。
そのためにはどうするか?
このように考察していきますと、
採用というのは営業と同様になり、「マーケティング力」が必要なのです。
では、具体的な「
採用マーケティング」の手法について解説いたします。
マーケティングと言えば、消費者の求めている商品・サービスを調査し、供給する商品や販売活動の方法などを決定することで、生産者から消費者への流通を円滑化する活動と定義されますが、
採用に、それをそのまま適用することはできませんが、流用することは可能であり、既に多くの企業が、この「
採用マーケティング」という手法を導入しています。
求職者が企業を選び応募するまでには、長い意思決定のフローがあり、その間、企業は求職者の心の動きを捉え、局面に応じて必要な情報を提供するなど、行動を起こす必要があります。
求職者は自分の心の動きをうまく捉えてくれる会社に対して親しみや安心感を覚え、動機形成がされていくのです。
社名すら知らない会社に、いきなり、入社したいとは思いません。
求職者は、事業内容や価値観、仕事内容への理解を高め、納得したうえでエントリーしてくるのです。
求職者のマインド変化
求職者が
就職活動で行う活動の最中に自社を認知してもらうことが第一ステップであり。
このために、求人サイトに情報を公開するというのが、基本的な戦略となるのです。
その後の求職者の心理としては
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「知ってはいるが就職は考えていないレベル」
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「この会社なら働いても良いというレベル」
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「具体的に入社を検討するレベル」
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「入社を決定するレベル」
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企業は全てのプロセスで適切な情報提供が必要なのです!
一度に見せすぎてもダメですし、一貫性が無くてもダメです。
どうでしょう?
採用担当の方は自社の
採用活動のフローがこのように設計されているでしょうか?
残念ながら、まだ、できていない企業が多いのが実情です。
広告の出稿に予算の大半が割り当てられ、その後のマインドに合わせた情報提供が薄くなってしまっては、せっかく、求職者が、その企業に興味を持ったにも関わらず、動機形成ができないうちにどんどんと選考が進んでしまい、最終的に内定辞退なんて事が起きてしまいます。
もはや、現在の
採用活動では、マーケティング手法を導入せずに効率的な
採用することはできなくなってしまいました。
では!また。
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